人気ブログランキング | 話題のタグを見る

kleiner heine

Frau's Diary

犬と共に

4月に入りました。
入園、入学、入社・・新生活をスタートされる方も多いと思います。
震災の影響は今後も続き、原発の問題はまだ不安が続き、被災者への救援・町の復興には長い時間がかかるようですね。

新しく犬を飼いはじめる方もこの時期は多いです。
最近では市内でも生体を売っているペットショップが増え、前を通ると賑やかな声が聞こえてきます。「かわいい~♪」「欲しいーっ!」その度にちょっと複雑な気持ちをもってしまいます。

どうか安易に買わないで。
新たな家族として迎え入れることが果たして可能か・・冷静な判断をきちんとしてほしい。といつも願ってしまいます。

幼齢犬の販売で、8週齢規制という言葉をよく耳にします。
生後8週齢までは母犬や兄弟犬と共に過ごさせ、それ以降を目安に別離させる。ということ。
この社会化期とされる時期に母犬や兄弟犬と離れると、将来問題行動へと発展していく可能性が高いとされているからです。

欧米では規制が当たり前となっています。
以前読んだ本に書いてありましたが、
例えば
<アメリカ>最低8週齢以上及び離乳済みの犬猫でない限り、商業目的のために輸送または仲介業者に渡されてはならない。
<イギリス>生後8週齢に達していない犬を販売してはならない。
<ドイツ>8週齢未満の子犬は、母犬から離してはならない。
<スウェーデン>生後8週齢以内のようれいな犬は母親から、また飼育者かr離してはならない。
<オーストラリア>生後8週齢以下の子犬は売りに出してはならない。

日本はというと法的な規制はありません。
だいたい、店頭で見るのは生後40日くらいです。日本人が好むコロコロと愛くるしい容姿は、この時期がピークで、この時期を逃してしまうと商品としての価値がなくなってしまう、という考え。

動物行動学的には生後8週齢ごろまでは社会化期とされ、適切な社会化期を経験せずに流通に乗ってしまった犬は将来問題行動を起こす傾向がある。と欧米諸国はいいますが、日本のある業者は8週齢まで引き離してはならないという根拠はなく、問題行動を抑制するには早く引き離した方がいい。と、全くの別意見。消費者のニーズに応えるのであれば、若ければ若い方がいい・・と。

全ての犬達がそうではないのでしょうが、実際早期に手元にやってきた子犬達は未熟な飼い主さんの所へやってきても適切な社会期を過ごせていません。その結果、問題行動へとつながる・・というのは私の目の前では何件も起こっています。また、問題行動から遺棄する飼い主さんもいます。(全国政令指定都市と関東、近畿など都府県29自治団体に引き取られた犬1万1893匹の内32%が問題行動を理由に遺棄 07年度)

今回の大震災では沢山のペットも犠牲になっています。
助かったペット達であっても、飼い主さんが避難所へ連れて行けずに餓死したり、運好く連れ出してもらっても、十分な食事や居場所が確保出来ずに精神不安を起こしているこもいます。
犬と共に_e0100584_23364579.jpg

ペットは家族。と言葉では簡単に言えますが、生命を預かる責任を最期まで果たす事が出来るのか・・・。犬を迎えた後のしつけも大事ですが、最初の一歩を踏み間違えないように!
これから犬と共に生活を始める方は、確かな覚悟を持ってスタートしてほしいと思います。
(*「犬を殺すのは誰か ペット流通の闇」参考)
犬と共に_e0100584_23355818.jpg
犬と共に_e0100584_2336209.jpg

Commented by Geldolf at 2011-04-07 01:24 x
いつも拝見させて頂いております。
初コメさせて頂きます。

本当にその通りですね。
同じ命なのに、あまりに感じている重さが違う気がします。
本来は同じ重さであるのが当たり前なのに…。
例えば‥同じ犬種でも個々が違えば、性格は全く違うのだと知らずに飼われる飼い主さんの何と多い事でしょうか。
一頭目の子が手のかからないイイ子だったから、同じ犬種のこの子も良い子なハズ!!と飼ったは良いけれど、手に負えません。。。という飼い主さんも少なくないですもんね。

本当に‥本当に安易に家族に迎え入れないで頂きたいものです。

4月。
新たな家族の元に行く子も多いですが、捨てられてしまう命の数も多くなるそうです。
少しでも不幸な動物たちが減ってくれる事を祈ります。
Commented by ぷりまろ at 2011-04-07 19:49 x
私の心の理解者である先生
指導者である立場からのお言葉は重みが違います。
どうして欧米のように動物愛護が出来ないのか・・・
苦しいです。

まろんのお里の、ある方のお家に
三宅島出身のおじいちゃんGRがいます。
5歳位の時だっかな
三宅島が噴火して
新しい里親さんが見つかるまで
沢山の仲間と共に3年間バリケンの中で暮らしてたと伺いました。
その穏やかな顔からは過去は感じられませんが
タタミ半畳程のスペースが自分の世界。。。
今、震災でそのような環境に居るペットたちが
どれぐらいいるだろうか・・・
飼主さんに抱きしめられることのない犬たちの末路に
幸あれと願うしかないもどかしい日々を過ごしています。
ペットショップを訪れる人たちに
仔犬を買わないで!
そう叫びたい気持ちでいっぱいです。


Commented by kleiner-heine at 2011-04-07 22:31
Dear Geldolfさん

初コメントありがとうございます!

最近は他頭飼いも当たり前になってきましたからね。。。
犬達に罪はないのですが、だからこそそれぞれ充実した日々を送ってほしいです。

私達が飼い主さんとお話出来るのは、新しく犬を迎えてからがほとんどですもんね。トレーニングしていきながら「もっと早く‘それ’知りたかったよ~。」なんて言葉をよくかけられます。犬を迎えてから「初めて知ったよ~」と言われると胸が痛いです。もっと色々知ってから迎えてほしい・・・その度に思います。
Commented by kleiner-heine at 2011-04-07 23:04
Dear ぷりまろさん

コメントありがとうございます!

ドイツでは、動物保護の取り組みにかかる費用のほとんどが寄付でまかなわれているそうです。
国や自治体からの援助はほとんど必要ないというのだから驚きです。個人個人の意識が高いからなのでしょうね。
「行政がちゃんと考えてくれていない。」と思う前に、一個人の考え方を改める必要があるな、と反省。

欧米並みに・・とは、なかなかいかないのでしょうね。。

ショップで犬を買うのは簡単ですが、責任を背負うという事はとても重く、容易い事ではありませんよね。
by kleiner-heine | 2011-04-04 23:37 | Friends | Comments(4)

by kleiner-heine
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31